自動ドアのパニックオープン復旧方法を徹底解説

ブログ

自動ドアのパニックオープン復旧方法を徹底解説

更新日:2025/06/06

自動ドアのパニックオープンは、火災や地震などの緊急時にドアを自動的に解放して避難経路を確保する機能として重要視されています。安全を守るための機能ですが、誤作動や復旧手順がわからないままだと日常利用で支障をきたすことがあります。

パニックオープン状態が続いたままでは防犯面のリスクが生じるため、正しい復旧方法を知っておく必要があります。本記事では、自動ドアのパニックオープンについて基本的な仕組みや必要な手順を整理し、スムーズに復旧させるためのポイントや日常のメンテナンス方法を詳しく解説します。

パニックオープンの基本

panic open

自動ドアのパニックオープンは災害や非常事態が起きたとき、ドアを強制的に解放して人々が素早く避難できるようにする機能です。誤作動が起きた場合や解除の方法を知らないと、ドアが開いたままになり防犯面で不安が高まります。

パニックオープンとは何かと導入される主要な理由

パニックオープンは火災や地震などの緊急時、ドアが施錠されていても強制的に解錠し、自動ドアを開放状態にして避難経路を確保する仕組みです。多くの商業施設や公共施設、医療機関などでは人が集中するため、通常時には自動ドアで防犯性を確保しつつ、非常時には一括して開け放ち、混雑やパニックを防ぐメリットがあります。

消防法や建築基準法などの観点からも、パニックオープンが求められる場面が増えています。これらの機能を正しく導入しておくことで来館者の安全を守るための対策がしやすくなります。

パニックオープンについてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

緊急時に自動ドアを全開放!パニックオープンについて徹底解説

パニックオープンからの復旧が必要になる状況とは

パニックオープン機能が作動する場面としては、火災報知器の感知や地震感知装置の警報などが典型的です。これらのセンサーが異常を検知した際、ドアは自動的に解放状態へ移行します。しかし、誤報や試験運転、あるいは感震器の誤作動でパニックオープンが解除されず、日常運営に支障が出るケースも少なくありません。

こうした状態を放置すると、防犯性を損ない、夜間の不審者侵入を許すリスクが高まります。パニックオープンが解除されないときは手動での復旧作業が必要なため、作業手順を把握しておくとスムーズに対処できます。

自動ドアパニックオープンの復旧方法・手順

Recovery procedure

パニックオープンは防災に役立つ一方で、誤作動や試験運転後に解除できないと通常利用に問題をもたらします。ここでは基本的な復旧方法をステップに分けて整理し、注意点とあわせて紹介します。

1.非常用スイッチや感震器の状況を確認する

パニックオープンが解除できないとき、まず非常用スイッチや感震器など関連する装置の状態を確認します。

火災報知器の警報が作動しているか、感震器のリセットが完了していないかを確かめるのが初歩的なポイントです。非常開放スイッチがONのままの場合、自動ドアは強制開放を継続する設計になっているケースが多く、スイッチをOFFにするだけで復旧できるときもあります。

ただし、この段階で依然としてドアがロックを解除したままになっているなら、別の要因でパニックオープンが続いている可能性が高いです。セキュリティシステムとの連動がある施設では、警備会社や関係部署の設定状況もあわせて確認してください。

2.自動ドア制御盤や火災受信機の表示をチェック

パニックオープン状態を制御しているのは、自動ドアの制御盤や火災受信機です。制御盤上の表示ランプや液晶パネル、火災受信機の警報表示などをチェックすると、エラーコードや異常表示から原因を絞り込む手がかりが得られます。

エラーが出ている場合はマニュアルや業者の指示に従ってリセット操作を試みますが、むやみにリセットを繰り返すとさらに複雑なエラーを誘発することもあるため注意が必要です。火災受信機が誤報を受け取ったままの場合、建物全体で避難経路が確保されるようドアが開放され続ける仕組みになっていることがあります。

こうした施設では受信機をリセットする前に、火災本部や管理室との連絡を取り、周囲の安全を確認した上で手動で復旧手順を進めることが望まれます。

3.手動レバーや復旧スイッチを操作して通常モードへ戻す

感震器の設定や火災受信機の警報が解除されてもパニックオープンが続く場合は、自動ドア本体に設けられた手動レバーや復旧スイッチを操作する必要があります。多くの機種では、ドア本体のカバーを外した内部や操作パネル付近に復旧ボタンまたはレバーがあり、それを適切に戻すことでドアが自動開閉の通常モードに移行します。

メーカーや機種によって操作方法が異なるため、あらかじめ取扱説明書を確認するか、管理担当者がレクチャーを受けておくことがおすすめです。復旧後は試験的にドアを開閉して反応やロック状態を確認し、問題がないことを確かめてから通常運営を再開する流れがスムーズです。

パニックオープンが解除できないときの代表的な原因と対処法

手順通りに操作してもパニックオープンが解除されない場合、センサーや電気錠、建物全体のセキュリティシステムなどの不具合が考えられます。原因を把握して適切に対処するための方法を整理しましょう。

センサーやモーターの異常が引き起こす復旧困難状態

パニックオープンは主に火災報知や感震器の信号をトリガーにしますが、自動ドアのセンサーやモーターに異常がある場合も解除がうまくいかないケースがあります。ドアが正常な作動位置に戻らず、センサーが「まだ人が通り抜け中」と誤認してロックを解除したままになるおそれがあります。

センサー周辺の清掃や感度設定の確認だけで解決する例もありますが、モーター内部が故障していると一部部品の交換が必要になるかもしれません。日頃から定期的に点検を行い、センサー異常やモーターの劣化を早期に発見しておけばパニックオープンの誤作動も減らせます。

電気錠や制御盤の誤作動で復旧操作が受け付けられない場合

パニックオープン状態において自動ドアが解放されたままになる背後には、電気錠のアンロック信号が継続して送られている状況も考えられます。制御盤が異常を感知し、ドアに「開け放しを続けろ」という指令を出していると、手動でスイッチをオフにしても制御盤側が応答しないケースがあります。

建物内に複数の自動ドアや電気錠システムが連動している場合は、感震器だけでなく他の回路が原因となっていることもあるため、システム全体を見直すことが求められます。制御盤や電気錠のトラブルは専門的な知識を要するため、原因を迅速に特定できない場合は無理をせず業者に連絡することが安全です。

パニックオープンの復旧を円滑に進めるためのポイントと予防策

Points to note

緊急時には避難経路として必要不可欠なパニックオープンですが、誤作動や解除困難を防ぐには日ごろの備えが大切です。復旧を円滑に行うためのポイントと事前の予防策を確認しましょう。

非常時と通常時で明確な操作マニュアルを共有する

建物の管理者やスタッフが変わるたびにパニックオープンの解除方法がわからなくなる事例は多いです。非常時と通常時でどのスイッチをどう操作すればよいのかを明確化し、わかりやすいマニュアルを作成しておくと混乱を防止できます。

写真やイラスト付きで説明書きを作り、制御盤や火災受信機、ドア本体のカバー内部などポイントごとに「何をどの順序で触るか」を示すことが大切です。また、緊急時にマニュアルを素早く確認できるように、施設のバックヤードや管理室に保管するだけでなく、全スタッフがアクセスしやすい場所にコピーを置くと安心です。

定期点検と非常開放スイッチの試験運用で誤作動を減らす

パニックオープンが正しく作動するか、あるいは誤作動が起こりやすい環境にないかを知るためには、定期的な点検と試験運用が効果的です。火災報知器や感震器、電気錠など関連する装置を含めて専門業者が総合的にチェックしてくれるメンテナンス契約を結ぶと、誤作動が起きても即座に修正しやすくなります。

また、非常開放スイッチを一度試験的に作動させて復旧までの流れをシミュレーションすることは、スタッフが操作手順に慣れるうえでも有益です。こうした点検や訓練を実施しておくと、万が一パニックオープンが必要になったり誤作動が発生しても、迅速かつ正確に対処できます。

災害時の自動ドアの取り扱いについてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

台風発生時の自動ドアの取り扱いと注意点について!強風の対処法も解説

自動ドアのパニックオープン復旧方法を知り、安全と防犯を両立する

パニックオープンは人命を守るために重要な機能ですが、解除できないと日常の利用や防犯面で支障をきたす恐れがあります。正確な復旧手順を把握し、定期的な点検と試験運用を通じて誤作動や解除不備を防ぐことが重要です。

施設や店舗の規模に応じて操作マニュアルを整備し、スタッフ間で情報を共有すれば、万一のトラブルも落ち着いて処理できる確率が高まります。日頃のメンテナンスと業者への早期相談を組み合わせ、パニックオープンの利点を最大限に活かしながら防犯面での安心も確保してください。

お問合せ

出張費、見積無料、相見積もりも歓迎します!
メーカー品質の自動ドア修理をメーカーより安く!
全国で自動ドアの修理や交換をご希望の方はぜひご相談ください

この記事の監修者

経歴

自動ドアに携わって17年以上。 大手自動ドアメーカーで8年、自動ドアの製造および施工事業に従事後、自動ドアメンテナンスに合流。 今は中部地方のチームリーダーとして自動ドアの修理工事の指導を行う傍ら、WEB担当として情報発信も行う。

実績

  • 独立後800件以上の施工件数
  • メーカー問わずマンションの自動ドアから大型商業施設の自動ドアまで幅広く経験

保有資格


2025年2月25日

自動ドアがピピピと音を出す原因と対処法を徹底解説

自動ドアからピピピというアラームのような音が聞こえると、なぜ音が鳴っているのか気になり、日常の利便性...

2025年2月25日

自動ドアのエンジン交換を徹底解説!寿命や費用も紹介

自動ドアを長く快適に使い続けるためには、エンジン部分の交換時期を見極めることが不可欠です。ドアがスム...

2025年1月30日

自動ドアの外し方を徹底解説!安全な手順と注意点

自動ドアを外す作業は、ガラス交換や鍵の取り替え、レール整備などで必要になることがありますが、一歩間違...

2025年1月30日

自動ドアのサムターン交換方法をわかりやすく解説

自動ドアのサムターンが壊れていたり防犯上の理由で交換を検討している際、作業手順がわからずに困ることが...

2025年1月30日

自動ドアセンサーの調整方法をわかりやすく解説

自動ドアのスムーズな開閉を支えるセンサーは、環境や設定が合っていないとドアが開かなくなったり、逆に何...

対応エリア 依頼の流れ 会社概要 よくある質問 ブログ 監修者情報 プライバシーポリシー お問い合わせ