自動ドアが勝手に開く原因と対処法を徹底解説

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自動ドアが勝手に開く原因と対処法を徹底解説

更新日:2025/06/06

自動ドアが勝手に開く、あるいは予期せず頻繁に開閉を繰り返してしまうトラブルは、商業施設やオフィスビル、病院など多くの人が利用する場所では大きなストレスとなります。利用者の安全面やプライバシーへの配慮だけでなく、空調効率の低下や防犯リスクなども見過ごせない問題です。実際、このような不具合が起きる背景にはセンサーや制御装置の誤作動、周辺環境の影響などさまざまな原因が潜んでいます。

本記事では、「自動ドアが勝手に開く」という困りごとに焦点を当て、その原因と具体的な対処法、そして日常点検のポイントや専門業者への修理依頼のタイミングなどを詳しく解説します。スムーズで安全な自動ドア運用を取り戻すための第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。

自動ドアが勝手に開くトラブルの代表的な原因

自動ドアが意図せず開いてしまうトラブルは、センサーの故障や制御装置の不具合、さらには周辺環境に左右されるケースまで多岐にわたります。中には、簡単な清掃や設定変更だけで改善する軽微なものから、部品交換が必要となる大掛かりなケースまで存在します。正しい原因を特定できなければ、根本的な解決に至らず、また同様のトラブルを繰り返す恐れもあるでしょう。
ここでは、よく見られる原因をいくつかピックアップし、それぞれの特徴や対処のヒントを紹介します。

センサーの誤作動や感度の不良

自動ドアの動作を司るセンサーは、人や物体が近づいた際の微妙な変化を感知してドアを開閉させています。しかし、そのセンサーが何らかの理由で誤作動を起こしていると、近づく人がいないのにドアが開いてしまうトラブルが発生しがちです。

  1. 汚れやホコリの付着
    センサーが目詰まりを起こし、感度が異常に高まったり低下したりする場合があります。特に屋外に面しているドアでは、風雨や排気ガスによる汚れが蓄積しやすいため、定期的な清掃が重要です。
  2. 感度設定の問題
    もともとのセンサー設定が高感度になっていると、小動物の動きや扉付近のわずかな振動、さらには空気の流れなどでも反応してしまうことがあります。開閉のタイミングが頻繁すぎると感じるなら、専門家に相談して設定を見直すのも手段の一つです。
  3. センサー自体の故障
    基板や配線が損傷している場合、誤検知や断続的な開閉が起こることがあります。清掃で改善しない場合は、専門業者による点検や部品交換が必要です。

汚れや設定ミスなど軽度な原因であれば、ドア周辺の清掃や感度調整だけでトラブルを解消できる場合があります。しかし、センサー内部に深刻なダメージがある場合や配線トラブルが疑われる場合は、無理に自力で直すとトラブルが拡大する危険性があります。症状が改善しないときは早めの専門業者相談が賢明です。

制御装置・モーターの不具合

センサーが正常でも、制御装置やモーターの動作がおかしいと、自動ドアが勝手に開くトラブルが発生するケースがあります。制御盤(コントローラー)はセンサーの信号を受け取り、モーターを駆動してドアを開閉させる「頭脳」的な存在です。ここに不具合が生じると、正しく信号が処理されず、ドアが開きっぱなしになったり頻繁に作動してしまいます。

  1. 基板の損傷
    経年劣化や過電流、落雷などの影響で、制御盤内部の基板が破損していると誤動作を引き起こします。修理や基板交換が必要となる場合が多いです。
  2. モーターへの過負荷
    ドアの重量が大きい、レールや戸車が摩耗しているなどの理由でモーターに過度な負荷がかかっていると、制御装置が誤作動を起こす可能性があります。開閉速度が不安定になるなどの症状が見られたら注意が必要です。
  3. 配線の接触不良
    建物の振動や施工不良などで配線が緩んでいたり、一部がショートしていたりすると、勝手に開く・閉じるといった異常動作が生じやすくなります。

制御装置やモーターが原因の場合、素人の目視では異常を見つけにくく、誤った修理でさらに悪化させるリスクもあります。専用の診断機器が必要となるケースが多いため、専門業者に現地調査を依頼するのが最適な手段と言えるでしょう。

周辺環境の影響(風・気圧・振動など)

自動ドアはセンサーの感知だけでなく、周囲の環境条件にも少なからず影響を受けます。とくに、次のような要因がある場合には、ドアが勝手に開くような誤作動を誘発しやすくなります。

  1. 強風や気圧変化
    ドア付近に強い風が吹き込む環境だと、微妙な気圧変化がセンサーやドアの可動部に影響し、予期せぬ開閉を引き起こすことがあります。ドア周辺に風よけを設けるなどの対策が必要です。
  2. 自動ドア同士の干渉
    ビルのエントランス内に複数の自動ドアが設置されている場合、片方のドアが開閉する風圧や人の動きを誤検知して、もう一方のドアが開くパターンも見られます。センサーの設定や配置を見直す必要があります。
  3. 大型車両や重機の振動
    大通りに面している店舗や工事現場近くの場合、通過する車両や機械の振動がセンサーやドア本体に伝わり、誤作動を誘発することがあります。

このように、設備そのものに問題がない場合でも、周辺環境が自動ドアのセンサーや構造に影響を与えるケースは少なくありません。建物の構造やセンサーの設置位置を再検討し、風除室の設置や感度の調整、ノイズキャンセル機能の導入などを検討すると改善する可能性が高いでしょう。

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自動ドアが勝手に開く問題への基本的なチェックリスト

自動ドアが勝手に開く問題への基本的なチェックリスト

自動ドアが突然勝手に開き始めた場合、まずは簡単なチェックリストをもとに問題を切り分けていくことが重要です。いきなり大がかりな修理を検討する前に、日常的に行える作業や観察でトラブルの要因を探りましょう。ここでは、利用者や管理者がすぐに確認できる基礎的な項目をまとめています。

日常的な清掃と目視点検

  1. センサーのレンズ部分の汚れ
    ホコリや指紋、油汚れが付着していると感度が狂いやすくなります。柔らかい布で拭き取り、目視で汚れがなくなったことを確認しましょう。
  2. レール・戸車のゴミ詰まり
    スライドドアの場合、レールや戸車に髪の毛、砂、ゴミが詰まると不規則な開閉や異音が発生しやすくなります。小まめに掃除機やブラシで除去しましょう。
  3. 周辺の障害物・装飾品の確認
    センサー付近に物が置かれていないか、風で揺れる装飾品や看板がセンサーに反応していないかをチェックします。不要な物があれば移動させ、誤検知を防ぎましょう。

ブレーカーと電源の確認

  1. 電源スイッチの状態
    清掃やメンテナンスの際に、電源スイッチが半端に入っていないか確認しましょう。中途半端な通電状態だと、センサーや制御盤が誤作動を起こす可能性があります。
  2. ブレーカーの異常
    ブレーカーの過負荷や配線トラブルが原因で、ドアの開閉制御が混乱することがあります。ブレーカーが頻繁に落ちる場合は、専門家に配電系統を点検してもらう必要があるでしょう。
  3. 停電時の動作仕様
    一部の自動ドアは、停電が起きると安全確保のために自動的に開いたままにする設定がある場合があります。短時間の停電や瞬停が原因でドアが開きっぱなしになっているケースも考えられます。

センサー感度と動作範囲の調整

  1. センサーの角度調整
    自動ドアに備わっているセンサーの角度を微調整することで、人の通行ラインだけを検知しやすくすることができます。風や振動、通行人以外の動きに反応しないよう最適化しましょう。
  2. 感度の上げ下げ
    センサーの感度が高すぎると、微小な動きや遠くを歩く人、通りすがりの物体などにも反応してしまいます。センサーの取扱説明書を参照しながら、感度を適切なレベルに調整することで誤作動を防ぐことができます。
  3. 検知エリアの設定
    一部の高性能センサーでは、検知エリアを限定する機能が搭載されています。壁や天井、隣接するドアなどを除外するよう設定を変えると、不要な開閉を抑制できる可能性があります。

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自分で対処できない場合の専門業者への相談タイミング

自分で対処できない場合の専門業者への相談タイミング

前述のチェックリストを試してみても、自動ドアが勝手に開く症状が改善しない場合や、原因が特定できない場合は、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。自動ドアは複雑な機構を持ち、センサーや制御装置、モーターのどれか一つが故障していても全体の動作に影響が及ぶことがあるため、素人判断で無理に修理すると状況が悪化するリスクがあります。
ここでは、専門業者に依頼すべき具体的なタイミングと、業者選びのポイントをまとめます。

専門業者が行う主な点検・修理内容

  1. センサーの精密検査
    専門の計測機器やテスターを用いて、センサーが正しく信号を送受信しているかチェックします。感度や検知角度の不具合があれば、調整や交換を実施します。
  2. 制御装置・モーターの動作確認
    制御盤の基板やモーターの回転数、電流負荷などを検査し、故障箇所や劣化部品の有無を確認します。必要に応じて部品交換や修理を行うことで、開閉動作の安定化を図ります。
  3. 配線・コネクタのチェック
    配線の断線やコネクタのゆるみ、ショート箇所などを洗い出し、再接続や補修を行います。特に建物の振動が多い環境では、配線不良が原因となることが少なくありません。
  4. 施工状態の確認
    ドアレールやフレームの取り付け状態を確認し、歪みやネジの緩み、サビなどがあれば修正や補強を実施します。経年劣化が進んでいる場合には、部品の交換だけでなく、全体的なリニューアルプランの提案を受けられることもあります。

業者選びのポイント

自動ドアが勝手に開くトラブルの修理依頼をする際は、次のような観点で業者を選ぶと安心です。

  1. 施工実績と専門知識
    自動ドアの種類やメーカーに応じた施工経験が豊富な業者であれば、トラブルの原因を正確に突き止めて早期に解決してくれる可能性が高まります。
  2. スピード対応・24時間体制
    商業施設や病院など、休業時間が限られている場合は、緊急対応に強い業者を選ぶと安心です。夜間・休日にも駆けつけられるかを事前に確認しておきましょう。
  3. 明確な見積もりと保証
    部品代・作業費・出張費などの内訳が明確に提示されることが理想です。修理後の保証期間や再発時の対応方針も確認し、追加費用が発生しそうな点を事前に把握しておくとトラブルを回避しやすくなります。
  4. 口コミや評判のチェック
    インターネットの口コミや同業者の紹介などを通じて、実際に利用した人の声を参照するのも有効な手段です。あまりに価格が安すぎる、説明が不十分などの業者は避けたほうが無難です。

自動ドアが勝手に開くトラブルを防ぐための日常点検と予防策

自動ドアの不具合が起きた際に修理するだけでなく、日頃から予防策やメンテナンスを行うことでトラブル発生率を大幅に下げることが可能です。特に、人の往来が多い商業施設や医療・公共施設では、わずかなドアの不調が大きな混乱を招きかねません。
安全性と快適性を両立するためにも、日常点検をしっかり行い、故障の兆候を早期に発見しましょう。

定期的な清掃と潤滑

  1. センサー周りの汚れ除去
    センサーやレンズを定期的に拭き、ホコリや汚れの蓄積を防ぎます。特に、屋外に面したドアは風や雨による汚れがつきやすいため、週に1回程度のペースで清掃しておくと安心です。
  2. レール・戸車への注油
    スライドドアや折戸の場合、レールや戸車に適切な潤滑油を塗布すると、スムーズな開閉が維持できます。金属部が乾燥すると摩耗が進み、モーターへの負荷が大きくなる原因となります。
  3. 扉本体のチェック
    ガラスやフレームにヒビや欠けがないか、ゴムパッキンが劣化していないかなども合わせて点検しましょう。破損部位があると、ドアの密閉性や耐久性を損ない、誤作動の原因にもなり得ます。

定期点検とメンテナンス契約

  1. 専門業者の定期点検
    自動ドアメーカーやメンテナンス会社と定期点検契約を結んでおくと、専門家が定期的に部品の摩耗状態やセンサーの動作をチェックしてくれます。故障を未然に防ぎ、大きなトラブルに発展する可能性を低減します。
  2. 修理履歴の記録
    過去にどの部品を交換したのか、どのようなトラブルがあったのかを記録しておくと、再発防止や原因追及がしやすくなります。管理者が交代しても情報を引き継ぎやすいメリットがあります。
  3. 部品在庫の確保
    消耗しやすい戸車やレール、ゴムパッキンなど、メーカーや型番によっては在庫切れになる可能性があります。あらかじめ交換部品を確保しておくと、緊急時にすばやく対応できるでしょう。

トラブル事例から学ぶ~自動ドアが勝手に開く原因と対処法のケーススタディ

 トラブル事例から学ぶ~自動ドアが勝手に開く原因と対処法のケーススタディ

最後に、自動ドアが勝手に開く実際のトラブル事例をいくつか紹介し、その原因と対処法について振り返ってみましょう。トラブルが起きたとき、どのような流れで問題を解決していったかを知ることで、今後の予防や迅速な対応に役立ちます。

事例1:センサー清掃だけで解決したコンビニエンスストア

【症状】
コンビニの自動ドアが深夜帯に人通りがほとんどないのにも関わらず、勝手に開いたり閉まったりを繰り返していた。

【原因】
ドア外側のセンサー部にホコリやチリが溜まっており、微弱な風や小さな昆虫に反応していた。

【対処法】
店員がセンサー部分を丁寧に拭き取り、周辺のゴミやクモの巣などを除去。感度をやや下げる設定に変更したところ、トラブルが解消した。

【学び】
定期的な清掃を怠っていると、センサーが異常に敏感になりやすい。また、深夜など通行量が少ない時間帯にもドアが作動している場合は、センサーの誤作動を疑うとよい。

事例2:開閉ユニットの故障が原因だったオフィスビル

【症状】
朝出勤すると、ビルの正面入り口自動ドアが頻繁に開閉を繰り返し、止まらない状態になっていた。

【原因】
制御装置からモーターへの指令が連続送信されており、開閉を繰り返す誤動作が発生。原因を調べたところ、コントロール基板の一部が焼損していた。

【対処法】
専門業者がコントロール基板と一部の配線を交換し、制御盤全体の動作をリセット。動作テストを行い、正常稼働に復旧した。

【学び】
制御装置のトラブルは、一見センサーの問題に見えても根本原因が異なる場合がある。複雑な電子部品の損傷は素人には判断しにくいため、早期に専門家を呼ぶことが大切。

事例3:周辺環境の影響で誤作動したショッピングモール

【症状】
大型ショッピングモールのエントランスに設置された自動ドアが突風のたびに開きっぱなしになり、元に戻らないことがあった。

【原因】
風の強い立地に加え、モールの内外で気圧差が大きくなる構造だったため、空気の流れがドアセンサーを頻繁に刺激していた。さらにドア周りに大きな案内看板があり、風向きを変化させていた。

【対処法】
エントランスに風除室を設置し、内外の気圧差を軽減。センサーの検知エリアを調整し、看板の位置も移動して風が直接当たらないように改善。

【学び】
周辺環境が原因の場合、ドア自体のメカニズムではなく建物構造や配置物の変更が必要なケースもある。施設全体の動線や気流を考慮した対策が重要。

まとめ~自動ドアが勝手に開くトラブルを未然に防ぎ、安全運用を実現しよう

自動ドアが勝手に開く現象は、センサーの誤作動や制御装置の不具合、周辺環境の影響など、さまざまな要因が絡み合って生じる複雑なトラブルです。日常的な清掃や簡易点検によって軽微な原因を取り除ける場合もあれば、専門業者の高度な診断や部品交換が必要なケースもあります。

大切なのは、不具合を感じたら早めに適切な対策を講じることです。センサーの感度調整やレールの掃除といった日常的なケアに加え、定期的なプロの点検を受けることで、トラブルの発生を未然に防ぎ、安全で快適な自動ドア運用を続けられるでしょう。商業施設や病院、オフィスビルなど、多くの人が利用する建物においては、自動ドアが勝手に開くことで起こりうる防犯リスクや空調効率の低下を軽視できません。利用者の安心感と信頼を損なわないためにも、問題を放置せず迅速に対応することが求められます。

本記事で紹介した原因別の対処法やチェックリスト、業者選びのポイントなどを参考に、ぜひ自動ドアトラブルの早期解決と予防に役立ててください。定期メンテナンスの実施や故障履歴の記録、部品の在庫確保など、運用面での工夫を重ねることで、長期にわたって安全性と利便性の高い自動ドアを維持し続けることが可能となります。適切な管理と迅速な対応で、自動ドアが勝手に開く悩みから解放され、安全・快適な空間を提供していきましょう。

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この記事の監修者

経歴

自動ドアに携わって17年以上。 大手自動ドアメーカーで8年、自動ドアの製造および施工事業に従事後、自動ドアメンテナンスに合流。 今は中部地方のチームリーダーとして自動ドアの修理工事の指導を行う傍ら、WEB担当として情報発信も行う。

実績

  • 独立後800件以上の施工件数
  • メーカー問わずマンションの自動ドアから大型商業施設の自動ドアまで幅広く経験

保有資格


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