自動ドアが反応しない!原因と対処方法をプロが解説

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自動ドアが反応しない!原因と対処方法をプロが解説

更新日:2023/06/13

  • 自動ドアが突然近づいても反応しない
  • 反応しない人がいる

といったお問い合わせはこのサイトでも多く頂いております。

コンビニエンスストアやスーパー、デパート、会社など、あらゆる施設に自動ドアは設置されています。荷物が多く両手が塞がっている場合には、自動で開閉するため便利ですよね。自動ドアの前に立つとドアが開閉するのは当然の動作と思われますが、自動ドアの前に立つと、なかなかドアに認識されない、反応しない…という経験をしたことはありませんか?

自動ドアの種類にもよりますが、故障以外にも下記のような理由で自動ドアの反応が悪いことがあります。

  • 黒い服を着ている
  • 自動ドアへの駆け込みや歩きスマホなどで下を向いている
  • タッチスイッチの電池が切れている
  • 小さい子供ややせ型の方など体重が軽い
  • センサーの部分が汚れたり曇っている
  • 電源がオフのまま…鍵がかかったまま…になっている
  • 検知範囲内にものがあるor温度が高い

このようにすぐにご自身で対処できるようなものが原因で自動ドアがうまく反応しないこともあるので、業者へ連絡をする前にまずはご自身でできることをやることが大事です。

各原因や対処法についてわかりやすく解説をしていきますので、是非参考にして頂ければと思います。

自動ドアが反応しない理由を見る前に仕組みやセンサーの種類を知っておこう!

自動ドアが反応悪いと感じたら原因を追究する前に確認すべきは自動ドアの仕組みやセンサーの種類です。

自動ドアの開閉するための検知装置の種類にはさまざまな開閉方式の検知装置が現在までに開発され、利用されてきました。それぞれの検知装置の特徴を知っておくことで、なぜ反応しないのか?という原因を特定でき、反応するように工夫することで開くようになります。

当然、故障などのトラブルで反応しない場合は開くことはありませんが、「他の人は開くのに自分だけ開かない」「影が薄いからなのか」という声もあることから、反応しやすい人や反応しにくい人にはきちんとしたメカニズムがあります。

それではまず自動ドアの仕組みやセンサーの種類がどうなってるのか?については下記記事を参考にしてみてください。

自動ドアの仕組みを専門家が徹底解説

自動ドアセンサーの種類と特徴を解説!状況にあったセンサーを選ぼう

簡単に紹介すると現在主流となっている自動ドアのセンサーの種類は下記3つ+タッチ式があります。

  • 熱線式(体温センサー)
  • 光線式(光の反射を利用したもの)
  • 超音波式

古いタイプで電子マットスイッチ式のものもありますが、次の自動ドアが反応しない理由の部分にてそれぞれのタイプに依存した原因についても解説をしていきます。

自動ドアのセンサーが反応しない理由を自動ドアのタイプ別で解説

それではここから自動ドアのセンサーが反応しない・認識されない理由と対処法について、自動ドアのセンサーのタイプ別で下記9つの解説をしていきます。

  • 【共通】センサーの受光部をチェック!汚れていませんか?
  • 【共通】自動ドアのガイドレールに異常が見られる
  • 【共通】うっかり電源がオフのまま&鍵がかかったまま
  • 【共通】掲示物による反応障害
  • 【タッチスイッチ式】まずは電池交換を行いましょう!
  • 【熱線式センサー】自動ドア付近にストーブを置いている
  • 【超音波式センサー】雨や風の影響で検知機能が弱まっている
  • 【光線式センサー】黒い服を着ている
  • 【電子マットスイッチ】体重が軽い or 厚底靴を履いている

それぞれ見ていきましょう。

【共通】センサーの受光部をチェック!汚れていませんか?

まず一つ目はよくある原因ですが、センサーの部分が下記のような要因でなんらかの動作不具合が発生するケースです。

  • 補助センサーのレンズが太陽の直射日光でくすむ
  • 水蒸気で曇ってしまう
  • 内部でなにかエラーが起きて自動ドアが開く信号を出したままになる
  • センサーのレンズの向きがズレていて自動ドアが反応しなくなる

このようにセンサー式の自動ドアもセンサーが曇ると正常に動作がしなくなることがあります。

センサー式の自動ドアで反応が悪いというときはセンサーのレンズを柔らかい布(テッシュでも可)で優しく拭きましょう。ただし、センサーが直射日光に当たる場所にあり、直射日光によってレンズが焼けてくもる場合があります。この汚れはいくら拭いてもとれないので残念ながら交換する必要があります。

【共通】自動ドアのガイドレールに異常が見られる

2つ目の原因は自動ドアにはガイドレール(自動ドアの溝の部分)というものがあり、本来この溝はドアが外れることを防止することや、ドアがおかしな方向に動かないように制御しています。自動ドアはこのガイドレールに沿って開閉する仕組みとなっています。

ガイドレールにほこりやゴミ、落ち葉や小石などが溜まると、自動ドアのセンサーが反応しているのに、ドアの動きが悪くなるということがあります。自動ドアのセンサーが正常で、ドアが反応しないという場合ガイドレールを疑ってみましょう。

夏場の異常気象でガイドレールの一部が高温で変形したり、台風などの暴風雨による衝撃で変形したり、冬場ではガイドレールが凍結したり、さまざまな原因によってガイドレールが故障します。

実際にガイドレールに異常が見られた場合には、すぐに修理をする必要があります。

【共通】うっかり電源がオフのまま&鍵がかかったまま

うっかり電源が入っていない、うっかり鍵を開け忘れている・・・なんてことがあると、当然ながら自動ドアが反応しないので、注意しましょう。

電源が入っていない

自動ドアには、電源スイッチが2ヵ所あります。メンテナンススイッチと、元のスイッチがあります。この2か所のスイッチの電源が入っていない場合自動ドアは反応しません。

後述しますが、タッチセンサーの場合は電池切れの可能性がありますので合わせて確認しましょう。

鍵の開け忘れ

自動ドアには、防犯のための鍵がついています。

ドアによって鍵の位置箱となりますが、この鍵を開け忘れていると自動ドアは反応しなくなります。

【共通】掲示物による反応障害

自動ドアにポスターやチラシなどの掲示物を貼ることによって、反応しなくなることがあります。また、貼ってあるポスターなどが剥がれかかっていると、自動ドアの補助センサーに反応して開閉を繰り返してしまうことがあります。

掲示物を貼ることによって異音がするなどの不具合も見られる場合がありますので、もし掲示物を貼っていて不具合を感じる場合は剥がしてみてください。

【タッチスイッチ式】電池切れで反応しないことも?まずは電池交換を行いましょう!

タッチ式自動ドアでスイッチをおしても反応しなくなったとき一番に確認してほしいのがタッチスイッチの中にある電池です。

あまり知られていませんが、タッチスイッチの中には単4電池がはいっており、電池切れになってしまうといきなり自動ドアは反応しなくなります。基本的にプラスドライバーでタッチスイッチの下部にあるネジを緩めてカバーを外して入れ替えてください。下記にも動画付きで詳しい説明をしてあるので参考にしてみてください。

【動画あり】自動ドアのタッチスイッチの電池交換方法を解説

【熱線式センサー】自動ドア付近にストーブを置いている

熱線スイッチは、誤作動も少ないことから評判を得ていますが、注意しなければならないのは下記2点です。

  • 自動ドア付近にストーブなどを置かない
  • 検知範囲内に植木など物を置かない

発売されたのは1979年で、電子マットスイッチが普及しなくなった後に、この熱線スイッチが普及され始めました。現在でも、一部の施設などではまだまだ使用されています。

検知範囲内に傘立てや植木など物を置いている場合は検知範囲内の外側へ移動するようにしましょう。

また、自動ドア付近でストーブが使われていることや、入り口などで外に面する場所に設置している場合には気温に左右されるため、熱を検知しにくくなっている状態となってしまいます。そうなってしまうと、熱線スイッチのセンサーでも反応しない場合がありますので、熱線スイッチが反応する環境を整えるようにしてください。

これらが原因に当てはまらない場合、自動ドアの故障が疑われますので、メーカーや修理業者へ相談をしておきましょう。

【超音波式センサー】雨や風の影響で検知機能が弱まっている

超音波センサーは、自動ドアの上部や自動ドアの天井部分などに取り付け、超音波を放つことで自動ドア付近に人がいないかを検知する仕組みとなっています。この超音波センサーは高さを調節することができますので、犬や猫などの動物が近づいても開かないように設定することができます。

ところが、雨や風によって検知機能が弱まり、誤作動を起こし無人でも開閉を行うことがあります

超音波センサーが反応しない場合、センサーにゴミなどが付着することや、汚れていることによって検知できないということがあります。定期的に超音波センサーのごみを取るなど清掃を行うようにしておきましょう。

これらが原因ではない不具合の場合、センサーの故障が疑われますので、メーカーや修理業者へ相談しておきましょう。

【光線式センサー】黒い服を着ている

最近では、自動ドアのセンサーの9割が光電式センサーとなっています。

このセンサーは対象に光を当ててその反射具合で自動ドアの動きを制御していますが、反射しないと反応しないので黒色の服は光を吸収してしまうため苦手としています。いまのセンサーはだいぶ進化していて色の違いで反応が変わるということは少ないですが、少し昔の自動ドアだと暗めの色の服を着ていると自動ドアが反応しないということもあります。

ときどき、存在感の薄い人は自動ドアを開けられないなんて笑い話しがありますが、そういう方は黒い服好んでいないでしょうか?明るい色の服でしたら光もよく反射しますので反応が悪いと感じる人は試してみるといいかと思います。

【電子マットスイッチ】体重が軽い or 厚底靴を履いている

今はほとんど使われていないですが、1975年頃に販売された電子マットスイッチ式の自動ドアがまれにあります。

電子マットと呼ばれるマットには、検知版が仕組まれており、そこから微弱電波を発信し、検知板と呼ばれる板の中からは発振電圧の変化によって作動します。つまり、このマットが重さを検知することでドアが開くという仕組みになっています。

基本は10kg以上の荷重でドアが開く仕組みになっていますが、古い電子マットでは感度が鈍くなってきているため、マットの上で飛んだり跳ねたりしなければ作動しないという場合があります。また、電子マットは床に埋め込まれた検知装置から5cmから10cmの高さに電波を発信しているため、ハイヒールや厚底の靴などでは自動ドアが検知しない場合があります

近年ではほとんど使われていないですが、まだ小さい子供ややせ型の女性など体重が軽いと動作しないことがあります。このような場合はメーカーや修理業者へ連絡をするようにしましょう。

上記以外で自動ドアが反応されない状況

ここまで自動ドアのセンサーが反応しづらい原因について自動ドアのタイプ別で解説をしてきました。

その他にも反応しない人がいるという場合は下記2つを疑ってみると良いです。正常に動作する場合としない場合がある場合はこれからが可能性である場合が高いと言えます。

ドアに駆け込む

まずはドアに駆け込んでしまって反応しないというケースです。

現在主流となっている光線式のセンサーの場合、下記の記事のようにどれくらいの範囲を検知するか?というのを調整しています。

自動ドアのセンサーを調整する必要がある場合と調整方法を解説

検知する範囲を狭く設定していると駆け込んでくる人の動きに反応しきれないため、うまく反応してくれないということがあります。基本的に自動ドアに駆け込むのは危険なのでやめた方が良いですね。

歩きスマホなど下を向いている

歩きスマホしながら自動ドアの前に向かうなど下を向いている人にも自動ドアが反応してくれないということがあります。

上記で黒い服を着てる人が反応しづらいと書きましたが、下を向いてしまうと自動ドアのセンサーに髪の毛しかうつらず黒髪の場合は自動ドアが反応してくれないことになります。下を向いてて自動ドアが反応しない・・・ということであれば上を向いても反応しないのか?を確かめてみると良いです。

全て確認したけど自動ドアがどうしても反応しない場合

ここまでの内容、タッチ式自動ドア、センサーの受光部、ガイドレール、電源や鍵の確認など、それぞれの項目がすべて問題ない場合、自動ドアが故障している可能性があります。

近赤外線のセンサー部分のランプなどが反応しない場合、このセンサーが故障しているなどの原因が考えられますが、このセンサー部分は自分で修理を行う場合、知識や技術が必要です。こうなってしまうと、自分で解決するのは難しくなりますので、修理の依頼をお願いしましょう。

修理を頼む前には、見積もりと出張費が無料かどうかを確かめてから行うのが大事です。

見積もりだけでも金額がかかる場合があり、業者によってはこの見積もりでそれなりの費用がかかることも少なくありません。プロの専門業者の言葉をそのまま鵜呑みにせず、3社以上複数の専門業者の方から無料見積もりを依頼し、金額や信頼できる企業かどうかを検討しましょう。

自動ドア修理の一般的な費用相場を下記にまとめました。よろしければ参考にしてみてください。

自動ドアの修理・交換の費用相場について事例別にわかりやすく解説

故障と確定したからと言って、焦らずにしっかりと重要な項目を確認しながら見積もりを行うのが最も重要と言えます。

まとめ

今回は自動ドアが反応しない、認識されない時の原因や対処法について見てきました。

自動ドアの修理を業者にすると大体2万円以上かかりますので、まずは下記の通り各項目確認しながら故障なのかどうかを確認しましょう。

  • センサーの受光部が汚れたり曇ってる→柔らかい布で優しく拭く
  • 自動ドアのガイドレールに異常が見られる→ガイドレールに異物があれば取り除く
  • うっかり電源がオフのまま&鍵がかかったまま→電源をオンにする&鍵を開ける
  • 掲示物による反応障害→掲示物をはがしてみる
  • タッチスイッチ式の場合→タッチスイッチの電池交換をする
  • 熱線式の場合→自動ドア付近にストーブを置かない&検知範囲に物を置かない
  • 光線式の場合→黒い服の人が反応しないなら服の色を変えて試してみる
  • ドアに駆け込んだ時に開かない→駆け込みは危険なのでやめる
  • 歩きスマホなど下を向いている→上を向いてみる

上記以外の場合は自動ドアの故障である可能性が高いので修理業者やメーカーに修理を依頼する必要があります。

保守メンテナンス契約している場合はすぐに業者に連絡しても大丈夫ですが、そうでない場合は3社以上の複数業者に相見積もりをすることが大事です。金額も安く対応も良い業者を選ぶようにしましょう。

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天田 聡

大手の自動ドアメーカーを経て現職へ。Web担当ではありますが現場仕事も大好き。趣味は猫カフェ巡り。

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