自動ドアの仕組みを専門家が徹底解説

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自動ドアの仕組みを専門家が徹底解説

更新日:2023/05/31

自動ドアは現代の建築設計における基本的な要素であり、私たちが日常生活で利用する施設、建物、公共交通機関に広く使用されています。その役割は、手を使わずにドアを開閉する便利さだけでなく、身体の不自由な人々や高齢者が建物へのアクセスを容易にすること、エネルギーの節約と環境に配慮した設計など、多岐にわたります。

自動ドアの基本構造:主要な部品とその機能

自動ドアは大きく分けて以下の3つの部分から構成されています。まず、ドア自体があります。これは一般的にはガラス、金属、あるいは両方から作られています。次に、ドアの動きを制御するモーターやギアがあります。これらはドアを開閉する力を提供し、その速度を制御します。最後に、ドアの動きを制御するためのセンサーシステムがあります。これには、ドアの開閉を制御するマイクロプロセッサと、近くに人や物が存在することを検出するセンサーが含まれます。

自動ドアの動作原理:センサーと制御システムの連携

自動ドアがどのように動作するかを理解するには、センサーと制御システムの連携に注目する必要があります。センサーは、ドアの近くに人や物があるときに信号を送ります。この信号は制御システムに送られ、ドアを開けるように指示します。人や物がドアから離れると、センサーは信号を停止し、制御システムはドアを閉じるように指示します。

自動ドアの種類とそれぞれの仕組み

自動ドアにはいくつかの種類がありますが、主なものは以下の通りです。

スライディングドア

最も一般的な自動ドアの形式であり、ドアは水平にスライドして開閉します。これには一般的に2つのパネルがあり、1つは固定され、もう1つは開閉する動きをします。

スイングドア

これらのドアは、通常の手動ドアと同様に、ヒンジに取り付けられたパネルがスイング(揺れ)動作で開閉します。スイングドアは一般的に出入り口が狭い場所や、スペースが限られている場所でよく見られます。

リボルビングドア

リボルビングドアは、一度に多くの人々を効率的に通過させることができます。一般的には、複数のパネルが中心の軸周りに回転し、人々がドアを通過するための空間を作り出します。

フォールディングドア

フォールディングドアはスペースを節約するのに最適なドアタイプで、ドアのパネルが折りたたみ式になっています。これらのドアは通常、狭い通路や小さな商業施設で使用されます。

自動ドアの安全装置:事故防止のための工夫

自動ドアの安全性は最優先事項であり、様々な安全装置が設けられています。センサーはドアの開閉を制御するだけでなく、人や物がドアに挟まれないようにも機能します。ドアが閉まるときに何かが検出されると、ドアは再度開くか、または動きを止めます。また、電力供給が断たれた場合や、他の技術的な問題が発生した場合に備えて、自動ドアは手動で開閉することができるように設計されています。

自動ドアのエネルギー効率と環境への配慮

自動ドアはエネルギー効率と環境配慮の観点からも優れています。ドアが自動的に閉じることで、空調の効率を維持し、冷暖房のエネルギーロスを最小限に抑えることができます。また、エコモードと呼ばれる機能を備えた自動ドアもあり、これは一定時間人が通過しない場合、ドアの開閉速度を遅くするか、または全く開かないように設定できます。これにより、不要なエネルギー消費を防ぎます。

トラブルと対処法:自動ドアが正常に動かない時の対応策

自動ドアが正常に動作しない場合、数多くの原因が考えられます。センサーの問題、電力供給の問題、メカニカルな故障など、さまざまな問題があります。そのため、専門家による定期的なメンテナンスと点検が重要となります。また、緊急時には手動でドアを操作できるようにすることも重要です。

未来の自動ドア:新技術とその可能性

自動ドアの技術は日々進化しています。AIや機械学習を活用した自動ドアは、利用者の行動や傾向を学習し、より効率的かつ効果的に動作する可能性があります。例えば、混雑した時間帯や特定の天候条件下での利用者の流れを予測し、ドアの開閉速度やタイミングを最適化することができます。

また、IoT(インターネット・オブ・シングズ)の進化により、自動ドアは他のデバイスやシステムと連携するようになり、よりスムーズなユーザーエクスペリエンスを提供する可能性があります。例えば、ビル全体のエネルギー効率を向上させるために、自動ドアの動作を照明や空調システムと連携させることも考えられます。

さらに、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて、非接触型の自動ドアの需要が高まっています。センサー技術の進化により、物理的な接触を必要とせずにドアを開閉できるシステムが一般化しつつあります。

結論:自動ドアの仕組みを理解し、より良く活用する

私たちは日々、自動ドアを利用していますが、その仕組みや機能を深く理解している人は少ないかもしれません。しかし、その技術を理解することで、自動ドアの適切なメンテナンスや問題発生時の対処法を知ることができます。また、新たな技術の発展を追いかけることで、より効率的で快適な利用環境を創り出すことが可能です。

この記事の監修者
著者情報酒井 隆

経歴

自動ドアに携わって17年以上。 大手自動ドアメーカーで8年、自動ドアの製造および施工事業に従事後、自動ドアメンテナンスに合流。 今は中部地方のチームリーダーとして自動ドアの修理工事の指導を行う傍ら、WEB担当として情報発信も行う。

実績

  • 独立後800件以上の施工件数
  • メーカー問わずマンションの自動ドアから大型商業施設の自動ドアまで幅広く経験

保有資格

  • 自動ドア施工技能士
  • 自動ドア保守・メンテナンス管理者
  • 第二種電気工事士
  • 防火シャッター・ドア保守点検専門技術者証
  • 消防設備士免状

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