自動ドアの事故リスク!その事例や自動ドアの安全対策について。事故の責任は店舗オーナーにある?

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自動ドアの事故リスク!その事例や自動ドアの安全対策について。事故の責任は店舗オーナーにある?

更新日:2023/05/31

自動ドアをこれから設置する企業や個人事業主の方は、自動ドアの事故について心配になることはありませんか。

不意の事故で相手に怪我をさせてしまったら…

万一、怪我をさせてしまった場合の責任の所在は?

ほとんどの店舗入り口に設置されている自動ドアだけに、いざ自動ドアを要因とした事故が発生したらあたふたしてしまいますよね。

実は、自動ドアに関する事故によって店舗側に「損害賠償請求」がなされたという事例も存在します。

このように、自動ドアを設置するからには放置できない「自動ドアによる事故リスク」について、詳しくご紹介します。

また、自動ドアの安全対策についても言及しておりますのでぜひご覧になってください。

この記事をご覧になると、「自動ドアによる事故リスク」や「自動ドアの責任の所在」、「事故を防ぐための安全対策」について認識を深めることができます。

自動ドアの事故リスクについて!想定される事故とは

ここでは、自動ドアの事故リスクについて実際に想定される事故をもとに、どのようなものがあるのかご紹介します。

自動ドアに駆け込み追突する

筆者も実際に、自動ドアに駆け込むことでガラス部分に追突している人を目の当たりにしたことがあります。

自動ドアがそろそろ開くと思い、自動ドアに駆け込みましたが、まだ開ききっておらず自動ドアのガラス面に衝突してしまうなどです。

自動ドアの斜め侵入による接触事故

現在、採用されている自動ドアは、「補助光電センサー」の機能向上等により、人物が自動ドアに進入する角度の違いによる検知機能が著しく向上しました。

つまり斜めに自動ドアに進入しても、光線が人物を検知し、自動ドアが閉まらないように工夫されているんです。

しかし、急に斜めに進入したことで補助光電センサーが検知するタイミングが遅れ、十分に開く前に自動ドアに衝突してしまう例があります。

戸袋付近で衝突

自動ドアの戸袋付近で遊んでいた子供などが、開いてきた自動ドアに衝突してしまうケースも報告されています。

開口部に立ち止まっていたことによって衝突するケース

自動ドアの開口部(自動ドアが開く際に溝がある部分)に立ち止まっていたことによって、閉じてきた自動ドアに衝突してしまうケース。

自動ドアの隙間に手が挟まれてしまうケース

自動ドアの戸袋付近で自動ドアの側面に手をつけていた際に、自動ドアの開閉に気がつかずそのまま自動ドアの隙間に手が挟まってしまうケース。

以上が、自動ドアにおける事故が発生しやすいケースとなります。

今回ご紹介したケースでは、お子様やご高齢の方が特に自動ドア事故に巻き込まれやすいです。

そのため、お子様から高齢の方まで幅広い客層が訪れる店舗等では、十分な自動ドアの安全対策が必要でしょう。

自動ドア事故の事例について

ここでは、自動ドアが要因となった自動ドア事故の事例についてお届けします。どのような事例があるのか把握し、自動ドア設置の際は、安全対策に役立てて頂ければ幸いです。

東京都小平市にあるスーパーの事例

この事案は、東京都小平市のスーパーにおいて2006年に発生したものです。

認知症を患っている80代女性が、前方の客に続き、自動ドアに進入しようとしたところ、閉まりかけた自動ドアに接触し、転倒。

これにより女性は、骨折をしてしまう重症事案に発展しました。

女性は、その3年後に亡くなってしまい、歩けなくなったことが要因として、認知症が進行し、このような結果になったとして、遺族が訴えを起こしました。

そして、東京地方裁判所は、スーパー側に対して1,175万円の支払い命令を下したのです。

自動ドアの事故というと、自動ドアに挟まれてしまうというイメージがあるかと思いますが、その大半は自動ドアとの接触によって引き起こります。

自動ドアに接触してしまう原因ですが、自動ドア自体が古くなり人が近づいてもセンサーがすぐに検知せず、閉じた状態から開くまでのスピードが遅いために、そろそろ開くと思って通行した人がぶつかるというケースがほとんど。

またタッチスイッチ式自動ドアの一部では、ボタンを押さない限り、人がいても閉まってしまう自動ドアも存在し、事故の要因になることも。

自動ドア事故の責任の所在はどうなるの?

前章のスーパーの事例のように、自動ドアを管理するスーパーが損害賠償請求を受けるということもあります。

では、自動ドア事故による責任の所在は、法律上はどのようになっているのでしょうか。

「民法第717条」にこのように記載されています。

民法 第717条 土地の工作物等の占有者及び所有者の責任

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

引用元:民法第717条|電子政府の総合窓口 e-Gov

 

民法を参考にすると、自動ドアの不具合があるにも関わらず、そのまま放置してしまった場合には「その建物の占有者」。

つまり、店舗であれば店舗を管理している管理者が責任を取らなければなりません。

また、店舗管理者が自動ドアに注意を徹底していた場合には、建物の所有者が責任を取らなければならないとされています。

これは自動ドアだけでなく、例えば店舗の看板が外れて通行人に落下し、怪我をさせてしまったという場合も同様です。

店舗側が看板の点検を実施しており、安全に注意を払っていたのであれば、その建物の所有者の責任に。

しかし、実際に自動ドアによる事故が発生してしまった以上は、どんなに注意を払っていてもそれを証明することは難しいでしょう。

このようなことから、普段から自動ドアの安全対策が求められています。

自動ドアの安全対策をしっかり行いましょう!

今回ご紹介したような自動ドアによる事故を防ぐためにも、重要な安全対策のポイントをご紹介します。

自動ドアの仕様をもう一度確認する

自動ドアには、設置する店舗に応じた仕様があります。

例えば、自動ドアの普及や発展を図る「全国自動ドア協会」では、自動ドアの安全性を周知するための「自動ドア安全ガイドライン」が策定されています。

これを参考にすると、「衝突防止対策」として以下のような目安基準が明記されています。

自動ドア開閉速度

オフィスビル等 病院・公共施設等
開速度 500mm/秒以下 400mm/秒以下
閉速度 350mm/秒以下 250mm/秒以下

参考元:スライド式自動ドアの安全ガイドブック|全国自動ドア協会

病院・公共施設等とは、ご高齢の方やお子様、車椅子使用者が多いエリアのことです。

こちらは、開閉速度ですがその他にも、「起動検出範囲」と言って、自動ドアを通行する人物を検知する推奨範囲も策定されています。

このように、これから自動ドアの導入を検討している企業や個人事業主の方は、自社の事情や客層に合わせた自動ドアの仕様にする必要があります。

現在、すでに自動ドアを導入している方も、自動ドアの仕様が適切かを定期的に点検しておきましょう。

さらに、場合によっては古い自動ドアの場合、人物の通行を検知する機能の1つ「補助光電センサー」がついていないものもあります。

自動ドア上部にあるセンサーのほかに、補助光電センサーも両方作動させることで、不感知になってしまう部分を可能な限り、減らすことができますので、このあたりも自動ドア修理業者に問い合わせることをおすすめします。

店舗からお客様へ注意喚起を促す

自動ドアの仕様について店舗に合わせた調整を行うこと以外にも、安全対策の1つとして店舗からお客様へ注意喚起を促すのも良い方法の1つです。

自動ドア付近は衝突の危険性や、指が挟まれる可能性があることをステッカー等で注意喚起しましょう。

またすでにステッカーが貼ってある場合にも、ステッカーの位置は見やすいか、色あせていないかなどもう一度チェックしてください。

さらに必要に応じて、新しいステッカーを貼りましょう。

まとめ

自動ドアの事故リスクを減らすためには、日頃のメンテナンスが重要です。

自動ドア導入時にきちんと仕様について説明を受けることはもちろん、導入後3年〜5年を目安に自動ドア修理業者にスポットメンテナンスを依頼しましょう。

自動ドア修理業者に依頼することで、自動ドアの管理者だけでは気づかないポイントもチェックしてもらえます。

また、弊社の自動ドア修理サービスは「地域密着のスピード対応」で、全自動ドアメーカーに対応しています。

信頼のある「自動ドア施工技能士」の所属する自動ドア修理業者を迅速にご紹介するマッチングサービスを提供しており、自動ドアの設置や事故防止、メンテナンスでお困りの際は、ご相談頂けますと幸いです。

自動ドア修理業者の失敗しない選び方とは!業者別の特徴をご紹介します

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天田 聡

大手の自動ドアメーカーを経て現職へ。Web担当ではありますが現場仕事も大好き。趣味は猫カフェ巡り。

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