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【プロが解説】自動ドアの保守点検は費用対効果で考えると不要
- 更新日:2023/06/07
- 自動ドアのメンテナンスは必要なんだろうか?
- 自動ドアの保守点検で膨大な費用を請求されたけどこれが普通?
- そもそも自動ドアの法定点検って義務化されているもの?
今回はこのように、自動ドアのメンテナンス(保守点検)の気になるところについて解説をしていきます。
自動ドアを設置する際に保守契約を結んでしまうという方が多いかと思いますが、結論からいいますと費用対効果で考えると自動ドアの定期的なメンテナンスはおすすめしません。
本記事で詳しく解説をしていきますが、保守点検をした方が良いというのは間違いない事実ではあるものの、長期的な費用を考えるとそれほど頻度の高いメンテナンスは必要ないです。
自動ドアメーカーや自動ドア業者が売上を上げたいがゆえにセールストークで保守点検が必要と言ってるケースもよくあるので、本記事を参考に是非正しい判断をして頂ければと思います。
目次
一般的な自動ドアメンテナンスの内容
まず一般的な自動ドアのメンテナンスでどのようなことをやるのかについて解説をしていきます。
基本的に保守点検で行うような作業は下記の通りになっています。
- 運転状況のチェック
- ベルトの劣化やボルトの状態などを確認
- 消耗品の交換
- センサーエリアの確認と調整
- 点検報告書の提出と安全に利用するための提案
上記の通りで目的としては自動ドアを継続的に使うために行われるものになります。
自動ドアをメンテナンスするメリット
それでは自動ドアのメンテナンスをするメリットはどのようなことがあるでしょうか?
自動ドアのメンテナンスが必要という業者は下記のような点が自動ドアをメンテナンスするメリットがあると言っています。
- 専門技術者による点検作業ができる
- 保守点検契約を結んでおくと自動ドアの「修理工賃」が無料 ※後述を注意
- 故障を予防する
- 快適性を維持する
- 寿命を延長する
- 安全性を確保する
上記のような点を言われることが多いのですが、費用対効果で考えると自動ドアのメンテナンスは不要であると考えております。
それでは、自動ドアのメンテナンスが不要である理由についてここから解説をしていきます。
そもそも自動ドアの保守点検は法定で義務化されていない
2020年現在、一般の自動ドアについては、エレベーターや消火設備のように個別品目を指定した法定の点検・整備制度はありません。
つまり国としては自動ドアの定期メンテナンスは義務付ける必要ないと判断しているということです。
日本ではゼネコンと自動ドアメーカーの結びつきが非常に強く、商業施設やマンションを建設する際、自動ドアの設置を安く受注し、割高な定期メンテナンスの費用で自動ドアメーカーが収益を上げるというモデルになっています。建築後の保守点検費用はゼネコンではなく、その建物の買主負担になるので両者ともに得をします。
自動ドアメーカーや自動ドア業者が儲かるので建築基準法第8条を盾に自動ドアの定期メンテナンスを営業することが多いですが、はっきり言ってこじつけに過ぎず、その言葉を鵜呑みにしてしまうと自動ドアのメンテナンスで結果的に損をしてしまうということも少なくありません。
自動ドアの定期保守メンテナンスが不要である3つの理由
冒頭にも書いている通り、ケースバイケースですがコストという観点だけで見ると自動ドアの保守点検は必要ありません。
自動ドアの定期メンテナンスは儲かる・・・そのため自動ドアメーカーおよび自動ドア業者は積極的にユーザーに定期メンテナンスを営業します。
これは裏返せばユーザーにとっては損な選択になっているということもあります。下記に自動ドアの保守メンテナンスが不要である代表的な理由をまとめてあります。
現状の自動ドア業界に不満を持つ一個人の意見として参考にしていただければと思います。
理由1.自動ドアはそんな簡単に壊れない!
メーカーが謳う自動ドアの耐用年数はおよそ7年程度であり、実際には10年以上は不具合なく動作することも多いです。
消耗品であるプーリー(滑車)やタイミングベルトでさえ7年を交換の目安としております。
要は自動ドアは頑丈に作られているため壊れないということです。そのため現在のメンテナンスの価格設定から考えると壊れてから自動ドア修理業者に修理を依頼したほうが安上がりになるケースが非常に多いです。
少なくとも設置から3年は保守メンテナンスはいらないのではないでしょうか?ちなみに自動ドア修理の職人にこの話題を出した時、「3年で不具合がでるような半端な仕事はしていない!」と啖呵を切られました。
実際にいま来ている自動ドアの修理依頼の多くが10年以上昔に設置された自動ドアとなります。
理由2.とにかく費用が高すぎる
自動ドアの保守点検費用が膨大であるという点がなければ自動ドアの定期メンテナンスの導入はありかと思います。しないよりするほうが良いに決まっています。
ただコストパフォーマンスが極端に悪いのがおすすめできない一番の理由です。ちなみに自動ドア修理業者は年2回のメンテナンスを基本的に勧めます。
これがだいたい片開きの自動ドアで1回15,000円-20,000円です。年にすると30,000円~40,000円となります。
ということは10年で30万円以上自動ドアの定期メンテナンスにかかることになります。
故障が起きた時に修理を頼む方が高いという業者もいますが、下記の記事の通り修理費用はそれほど高いものではありません。
理由3.消耗品以外は有料になってしまうという矛盾がある
契約内容によりますが、定期メンテナンスは基本的に修理工賃は無料で自動ドア取替部品は優遇価格という形をとります。
つまりは不具合があって部品交換が必要なときは別途費用が発生します。しかもとても高額の・・・。
弊社では、よくお客様から「なんのために定期メンテナンス契約してたのかわからない」と言われることもあります。定期メンテナンスで不具合が見つかってメーカーから修理の見積もりが出てきたが高額なのでそちらで安く修理出来ないか?という問い合わせも多くいただくような現状となっています。
まとめ
今回は自動ドアのメンテナンス(保守点検)について解説をしてきました。
メンテナンスをするかしないかであれば自動ドアの定期メンテナンスはしたほうが当然良いです。ただコストパフォーマンスが極端に悪いのがおすすめできない最大の理由です。
現在の自動ドア業界の状況では3年に一度くらいの頻度で業者に点検を依頼して、不具合が起きてたら自動ドア修理業者に依頼するのがコストパフォーマンスが一番良い自動ドアの運用方法かと思います。
天田 聡
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