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自動ドア修理業者から見た本当の自動ドアの寿命
- 更新日:2023/05/31
実際の所、自動ドアの寿命ってどのくらい?
メーカーの公証耐用年数は引分け、片引ともに10年~15年と言われています。ただこの数値も当然ながら環境によって大きく変化します。一番に影響があるのが開閉の回数です。当然開閉回数が多くなればなるほど自動ドアは壊れやすくなります。通常長持ちする自動ドアは20年以上なんの故障もなく動きますが、一方でパチンコ店の自動ドアなどは開閉回数が特に多いので5年で故障が出てくることも多いです。また海に近い自動ドアはサビによる劣化が非常に早いので耐用年数を大幅に下回る可能性があることを頭に入れておきましょう。ただ自動ドアにおいて戸車とタイミングベルトは消耗品という位置づけになりますのでどこかで交換の必要は出てきます。自動ドアを毎年定期メンテンナンスを行っていなくても、5年ないし10年に一度は業者に見てもらうことをおすすめします。
自動ドアで一番に寿命がくる箇所は?
一般に多いのがタッチスイッチとドアサイドビーム通称目玉という部分です。タッチスイッチは物理的に押されるのでそこが一番壊れやすいです。皆さん、自動ドアのタッチスイッチは軽く押してあげて下さい。
ドアサイドビームは自動ドアの足元に設置されていてドアの間に障害物があると自動ドアが閉まらず再度開く動作を行うためについているセンサーです。一般に赤外線センサーを使用していますが、受光部が日光に当たるなどで変色して赤外線を通さなくなることがあります。こちら汚れではなく受光部の変色なので布でふいても改善せず、センサーの交換が必要となります。
自動ドアの耐用年数と耐用回数
自動ドアの寿命を図る上で耐用年数と共に耐用回数という指標も用いられます。これは実際自動ドアが開閉を行った回数による自動ドアの寿命の指標で、何回動作したらメンテナンスもしくは部品交換の必要があるかと示します。一般的にこのような工業製品の寿命を考える上で耐用年数と耐用回数を定め、そのどちらかの閾値を超えたら交換した方が良いという考えになります。たとえば耐用年数が10年、耐用回数が250万回の自動ドアがあれば、5年しか使用していなくても、250万回の動作を超えた時点で部品の交換を検討する必要があるということです。また耐用年数と耐用回数は自動ドア全体ではなく、自動ドアを構成する各部品にそれぞれ定義しています。一般に自動ドアが不具合なく使える年数は?と効かれたら耐用年数もしくは耐用回数が一番小さなパーツの寿命を伝えるべきかもしれません。そうなると3年とかになってしましますが。
メーカーが言う自動ドアの寿命(耐用年数or耐用回数)の算出の仕方
下記がメーカーが推奨する自動ドアの部品の交換年数です
部品名 | 耐用年数 | 耐用回数 | 概算交換費用 |
ドアハンガー | 3年 | 300万回 | ¥50,000 |
非常電源 | 3年 | – | ¥40,000 |
センサー | 5年 | – | ¥50,000 |
コントローラー | 7年 | – | ¥100,000 |
ベルト | 7年 | 500万回 | ¥40,000 |
レール | – | 400万回 | ¥50,000 |
モーター | 7年 | 250万回 | ¥100,000 |
プーリー | 7年 | 250万回 | ¥30,000 |
定期的にメンテナンスして正常な使い方をしてこれです。メーカーとしては万が一壊れてはいけないという点から上記のようにかなり安全側での数値をだしてこの年数や回数が経過したらメンテナンスの際に交換を推奨します。重ねて申し上げますがこちらの数字、かなり安全側に沿った数字ですので実際にはもっと長持ちします。ただの一度も自動ドアの不具合を起こしたくないかた以外は不具合がでるまで待つというのも選択肢ではないでしょうか?いたずらに部品を交換するのも自動ドア修理業者にお金を上げるだけです。ただメーカーや部品によって本当に上記の耐用年数になりかねないものもございますので、営業の方にそれとなく聞いてみましょう。
意外かもしれませんが古い型式の部品の方が長持ちする傾向にあります。というか新しい部品は評価が定まっていないのでおすすめしていいかどうか分からないというのが現状です。古い型式部品は長く使われているだけあって本当の耐用年数が現場では分かっていますので安心して勧めることが出来ます。また古い方が価格も安価になる傾向があります。
まとめ
自動ドアの寿命は引分け、片引きともに10年から15年
メンテナンス時の有償の部品交換はよく考えて。
10年経ったらなにもなくても一度メンテナンスを!
天田 聡
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